気温が高くなる日本の夏は、体温も上がり、新陳代謝は一年中でもっとも盛んになります。暑さに対応するためには、上昇する体温と体の水分量を調節することが大切。日本人は、そうめんや冷奴など、夏は冷たいものを食べる習慣がありますが、これは、高温多湿な気候によるものと考えられています。湿度が高く、汗をかいても体の熱が逃げにくいため、冷たい食べ物で体を冷やそうとしてきたのでは……というわけです。
また湿度が高いと、体内の水分量も飽和状態になり、むくんでしまいがち。むくみをとるためにはカリウムを補って余分なナトリウムを排泄し、代謝を助けることが大切です。

■「きゅうり」には栄養がない? さらにビタミンCを破壊する!?

さて、そんな日本の夏に旬を迎える野菜といえば、「きゅうり」。カリウムを含むため、むくみ対策としても知られますが、栄養的には90%が水分。また、ネット上には“ビタミンCを壊す成分が含まれている”なんていう噂もあるようです。では、きゅうりの存在意義って? どうしてきゅうりを食べるの!?

7月5日放送の「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)で恵泉女学園大学園芸文化研究所教授の藤田智先生が紹介していたのは、きゅうりには「アスコルビナーゼ」というビタミンCを破壊する酵素が含まれているため、「食べ合わせには注意が必要」ということ。そのままで、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に食べるのは避けましょう。ただし酢を使ったり加熱したりすることで、この酵素のはたらきを抑えることができるそうです。お酢を含むドレッシングやマヨネーズにつけて食べたら良いのですね。

■きゅうりを食べたほうがよい理由

1)水分補給

夏祭りなどで、きゅうりの漬け物を串刺しにしたものが売られていますが、汗で塩分と水分が失われやすい場所では、ちょうどよい塩分・水分の補給になります。

2)薬味や梅干しと合わせて食欲増進

また、きゅうりは、薬味ととても相性が良い食材です。
ワカメとしょうがの酢の物や、みょうがやシソの葉を刻んだものと和えると相性抜群。食欲増進、殺菌効果もある薬味は、積極的に食べたくてもそのままでは食べにくいもの。きゅうりと合わせることで、日常の食生活にとりいれやすくなります。

その他、もろきゅうの付け合せでは梅干しや味噌が定番ですが、これも梅干しには疲労回復効果のあるクエン酸、味噌にもやはり疲労回復効果のあるアミノ酸やビタミンB1が含まれています。きゅうりと合わせることで梅干しや味噌がとりやすくなります。
「もろきゅうは、きゅうりを食べているのではなく、味噌を食べている」という感覚だった人もいるのでは? 実はそれは、正しかったのです。

番外編)日焼け対策

食べるほか、美容に熱心な女性の間では、以前から「きゅうりパック」が知られています。これは、きゅうりには皮膚のほてりを鎮める効果があるため。

方法は、きゅうりを輪切りあるいは縦に薄くそぎ切りにして、そのまま肌に貼り付けるだけ。日焼けした肌に効果的です。乾燥したら新しいきゅうりと交換し、何回か繰り返すことで、翌日にはほてりが治まるのだとか。

意味が無い食材なんて、ありません。旬の食材をかしこく食べて、夏を乗り切りましょう。